第二次中身山林道攻略戦【仙台市】
その日、雨男の私にしてはめずらしく朝には雨がやんでいました。
路面は湿潤。
冬にしては暖かい朝です。
今日は男爵い~もさんと、私のトラウマになっている林道へ行く日です。
そう、約8年ぶりの、中身山林道へのリベンジです。
- 中身山林道とは
- ルート構成について
- 茂庭台
- 茂庭台から広場へ(赤色の路線)
- 広場から北へ(紫色の路線)
- 広場から西へ(緑色の路線)
- ✕印の分かれ道を天文台へ(灰色の路線)
- 県道からこけし塔へ(水色と黄色の路線)
- おわりに
中身山林道とは
登山で有名な蕃山の西側にある山が中身山です。
茂庭台の西、錦ヶ丘の南、秋保の北東にあたる山です。
化石が出ることでも有名です。
中身山林道は文字通り、その中身山を中心とした林道で、東西に約4,000メートル、南北に約4,000メートルの範囲に縦横無尽に林道が走っています。
標高は低いところで約170メートル、山頂付近は約330メートルあり、標高差は160メートル程度です。
決して標高差が激しかったり、山深い林道ではありません。
しかし、侮ってはいけない林道なのです。
とにかく、トライアルチックな林道です。
丸太越えあり、ヒルクライムあり、好きな人にはたまらないでしょう。
私は、セローを買って間もなく、大先輩にこの林道に連れて行かれました。
この林道の険しさを体感して、もう林道なんか絶対行かないと心に誓ったものです。(でも結局林道にはまりました。)
あれから8年。
今日、改めてこの林道にチャレンジします。
ルート構成について
さて、ルートの構成をしたいと思います。
例によって、国土地理院地図を参考にルートを組み立てます。
地図1(林道北東側)
林道の東側の入口は茂庭台の西端部にあります。
ここは何度も進入したことのある場所です。
今回もここから進入します。
ここを仮に「東側入口」とします。
国土地理院地図によれば、どうも林道を北に進めば、沢を越えて(!)錦ヶ丘に抜けられそうな破線(作業道)があります。
これを「北側出口」と仮称しましょう。
地図2(林道北西側)
さらに林道を西へ進み、北へ右折して、天文台のすぐ南側にも出られそうです。
ここを「北西側出口」と仮称します。
東側入口からまっすぐ西へ進めば、宮城県道132号線(宮城県道秋保温泉愛子線)に出るようです。
ここを「西側出口」と仮称します。
地図3(林道南側)
林道中間部から南へ進めば、宮城県道62号線(宮城県道仙台山寺線)の万華鏡美術館付近のこけし塔脇に出ます。
ここを「南側出口」とします。
以上、5カ所の出入口「東側入口」「北側出口」「北西側出口」「西側出口」「南側出口」のルートを調査することとします。
茂庭台
朝9時。
冬なのに春の陽気です。
茂庭付近は久しぶりに来ましたが、急激に開発されて、コンビニも乱立していますね。
坂の下のファミリーマートに集合しました。
男爵い~もさんはおなじみ、オレンジのスポークのトリッカーで挑戦です。
今回は、私のセロー、トリッカーの2台で挑戦することとなります。
軽く打ち合わせした後、茂庭台へ。
住宅街を抜け、茂庭市民センターの交差点を左折。
次第に民家は少なくなります。
高度を下げ、田畑が多くなり、やがて山中へ入って行きます。
茂庭台から広場へ(赤色の路線)
田んぼを抜けると、林間へ入っていきます。
林道入口には「中身山林道」の看板が。
錆び付いていて、かろうじて文字が読み取れます。
最初はアルファルトと未舗装が交互に現れる道路です。
荒れも少なく、幅員も4メートルはある、走りやすい道です。
もちろん、これは罠です。
走り安いように見せかけて、私のようなエセオフローダーを引き寄せるためのフェイクです。
このまま走りやすい道が続くはずがありません。
やがて、広場に出ます。
広場には車止めが設置されています。
この広場に、北側出口へ向かう分岐があります。
広場から北へ(紫色の路線)
まず、北側出口方向へ向かうこととします。
広場北側の藪の隙間から北へ進路を変えます。
早速、幅員が2メートルに狭まります。
両脇は藪。
圧迫感があります。
先に進んでも、戻ってこれるか分からない不安と戦いながら、降りて歩いて偵察、戻ってバイクに乗って進む、また降りて偵察を繰り返して、ジリジリと進んで行きます。
途中、普通の坂と見せかけたヒルクライムが2回ほどありました。
いきなり出てきたので助走もつけずに進入してしまいました。
焦りながらも、転倒なしで登り切りました。
ヒルクライム怖いなぁ、もう。
私とは反対に、男爵い~もさんはヒルクライムを嬉々として登ってきます。
変態め。
高圧電線の鉄塔の下に出ます。
頂上です。
冬晴れの良い天気で、周囲の山々が見晴らせます。
そこから先は、階段付きの急激な下り坂。
歩いてもまともに降りれないほどの急坂です。
男爵い~もさんは「写真で撮ってアップしても伝わらないんだよね~」と言って笑っていましたが、大丈夫です、今見てもめちゃくちゃ急なのが伝わってきます。
北側出口への到達は、ここで断念します。
元来た道を、広場へ戻ります。
戻り際の転倒。
下りは、登りよりも怖いですね。
広場から西へ(緑色の路線)
車止めのある広場へ戻り、さらに西へ進みます。
車止めから先はさらに荒れてきます。
幅員1.5メートル、車お断りの狭い道です。
路面は土。
両脇は杉林です。
杉林の根元は笹藪に覆われています。
この付近に、北側出口方向へ向かう、もう一本の道があるのですが・・。
走っていると、杉林の隙間、視界の右端に支線のようなものが見えました。
道路右側は一面笹藪の絨毯が広がっているのですが、うっすらと笹の色が濃い場所がありました。
止まってよく見ると、びっしり笹藪に覆われているものの、斜面の中で、そこだけ平坦な路面が伸びています。
だから、色が濃いような違和感を感じたのです。
男爵い~もさんに、これ道ですよね?と聞くと、彼は言いました。
「どうみてもただの笹藪ですよ!」
「これが道に見えるとしたら、もう病気ですね!笑」
そうかなあ。
ちょっと考えすぎたかもしれない。
ここは素通りします。
少し過ぎたところに若干の登りを伴う分かれ道がありました。
この右側の道が北側出口への支線に違いない。
迷わず右側を登っていきます。
登って、下ったところ、T字路に突き当たりました。
あれ?
さっきの登りの分かれ道の左側と合流してしまったんじゃないだろうか。
男爵い~もさんが左方向へ進んで確認したところ、やはりさっきの道と合流していました。
ということは、林道は右に行けば奥(北西側出口方向)へ進めるはずだが・・。
北側出口への支線は、すでに通り過ぎてしまっていたということです。
やはり、笹藪の中が正しい道だったのではないだろうか・・。
確かめるすべはもうありません。(戻るのは面倒なので)
✕印の分かれ道を天文台へ(灰色の路線)
狭い林道を東へ進み、木に✕印が書かれた分かれ道に遭遇します。
この×印は誰かが着けた目印でしょう。
ここを右へ進みます。
ここから北進すれば、天文台方向(北西側出口)です。
ここから先、さらにトライアルチックな難所が続きます。
まず、V字谷です。
タイヤの轍の跡が雨水等に削られ、深くなって谷のようになった場所です。
タイヤ1本分の幅しかない、切り立った谷。
さらに悪いことに、下りの急坂です。
轍の中にタイヤを落として、全力ブレーキで下って行きます。
つらい。
もし、この先が行き止まりだったら、果たして登って帰って来れるか怪しいです。
次は丸太越えです。
太めの丸太が林道を塞ぐように倒れています。
これは、意図的に置いてあるとしか思えません。
地元のトライアルライダーが丸太越えを楽しんでいるんでしょう。
ただ、私のようなエセオフローダーには障害物以外の何者でもありません。
とりあえず、進入角とか考えるのも面倒なので、フロントタイヤをぶつけるようにして丸太に突っ込んでいきます。
フロントタイヤがぶつかった衝撃で浮き上がって、前進。
フロントタイヤは丸太を越えましたが、エンジン下部が丸太に乗っかって失速。
亀の子状態になって止まりました。
結局、2人で後輪を押して、乗り越えました。
丸太越えとか、全然面白くない。
恐怖感以外感じないわ!
これを喜んでやるやつがいたら、そいつは変態だな!
しかし、嬉々として丸太に突っ込んでいく男爵い~もさん。
変態め。
フロントアップ気味に丸太へアタック。
私よりも進み、(転倒しながらも)丸太を越えました。
やはり、私とは勢いが違う。
その先の下り坂。
眼下には錦ヶ丘のアウトレットが見えます。
あと少しだと思った瞬間、目の前に数本の倒木が見えました。
絶妙に下をくぐっていけそうな倒木。
いける!
いけなかった・・・。
男爵い~もさんのトリッカーは、折り畳めない純正ミラーで私よりも苦しいはずなのに、うまく倒木をくぐり抜けました。
男爵い~もさんは苦しいときの車体の操りかたが本当に上手い。
根性かしら・・見習わなくては。
その後、何本か倒木をくぐって、最後はなんとか天文台前の舗装路に出ました。
ここが北西側出口ですね。
県道からこけし塔へ(水色と黄色の路線)
北西側出口から県道秋保温泉愛子線に出て、南へ。
青葉区と太白区の境界付近の左側に、林道への入口を見つけます。
今度は西側出口から進入し、南側出口を目指します。
幅員は4メートル、路面は土で、出入口付近は比較的走り安い路面です。
林道を進み、✕印の分かれ道へ出ます。
ここを左へ行くと天文台方向(北西側出口)ですが、今回はさらに東方へ戻っていきます。
分かれ道(地図では278と記載されている)を南へ進みます。
南側出口方向です。
分かれ道付近には、熊の糞。
今年は暖冬ですから、まだ冬眠していないのでしょう。
・・・もし、熊が出たら、シングルトラックだしすぐには転回できないよな。
先頭を行くのは男爵い~もさんのトリッカーです。
男爵い~もさんには「もし熊が出たら帰りましょう!」とか適当なことを言いつつ、進みます。
本当に出たら、男爵い~もさんを犠牲にして逃げるしかない。(もちろん、本人には言わない)
その先は、ガチのシングルトラックでした。
フロントタイヤ2本分くらいの幅員。
左側は登り方向の崖。
右手は下り方向の崖です。
進むのがつらい・・。
さらに、両脇から草木が伸びていて、ひっかかってハンドルが取られます。
もし右側にずれたら、滑落です。
これはさすがにやばい、戻ろうか、と話したものの、転回もできない。
進むしかないと心に決め、1列縦隊で進んで行きます。
左から藪が飛び出している箇所がありました。
バランスを崩したらまずいので、登り斜面側にセローを立てかけてとめて、トリッカーのフォローに向かいます。
トリッカーはなんとか通過。
ふう、危なかった、とセローに戻ってみると。
セローが一番危なかった。
もう、滑落一歩手前です。
左側の崖方向に向かって倒れ込んでいます。
かろうじて木に引っかかって止まっている・・ガチで危なかった。
そして、危険な思いをして通過した先は・・やはり崖でした。
崖には鉄製のロープがかかっていました。
登山者がロープを伝って上り下りするための物なのでしょう。
国土地理委員地図上では、破線が続いているようですが、これ以上は行けません。
徒歩でさえロープ使っていくのに、バイクで行けるわけないわ!
結局、また危険な目をして元来た道を戻りました。
おわりに
ああ疲れた・・。
結果として、それほどたくさんのルートを攻略することはできませんでした。
しかし、昔よりは、少しですが上手く走れるようになった気がします。
トラウマを、これも少しですが、乗り越えられた気がします。
来て良かったです。
以上で第二次中身山林道攻略戦は終わりです。
結果として、林道の東西方向はそれほど苦労せず行き来できることが分かりました。
また、天文台方向へも、やや苦しいですがトレールバイクで通行できます。
しかし、その他のたくさんの支線はかなり苦しい場所揃いです。
今回行った本線、支線以外にもたくさんの支線があります。
まだまだ探索できそうな林道ですね。
しかし、危険な場所もあるので、やはり、第一回目と同じことを言いますが、複数人で入った方がいいでしょう・・。
自分の限界を試したくなったら、また行きたいと思います。
これで今年の宮城林道日記はおしまいです。
今年はたくさんのオフ者に会えて楽しかったなあ。
皆さん良いお年をお迎えください。
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