沼山林道【仙台市太白区坪沼沼山】
私がセローに乗り始めて、いつのまにか8年経ちました。
林道にはまり、100箇所を越える林道を走りました。
でも、私が初めて林道を走った、あの日の感動を越える道はいまだにありません。
皆さんは、初めて走った林道のことを覚えているでしょうか。
私は、いつしかその林道がどこにあったのかも忘れてしまっていたのです。
そんなある日のお話。
初めての林道ツーリング(オン車)
「おまえは今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?」と、DIOは言っています。
私も問いたい。
「おまえは今まで走った林道の数を覚えているのか?」と。
人間、反復継続して同じ事を行なっていると、最初のことなんか忘れてしまいますよね。
私は最初に走った林道がどこのなに林道だったのか、もう忘れてしまっていました。
でも、初めて林道を走ったその感動だけは、まだ覚えています。
当時、私の愛車はヤマハのYBR125というバイクでした。
もちろんオンロードバイクです。
なぜか私は、オンロードバイクでその林道に入り込んだのです。
当時20過ぎの青年でしたから、なかなか無茶なことをしたものです。
幸い整備された未舗装路だったのでゆっくり登っていくことができました。
途中、オフロードバイクとすれ違いました。
今思えばトライアルバイクだったような気がします。
対向してきた彼は、場違いなオンロードバイクが走っているのを見て驚いたことでしょう。
汗をかきながらなんとか登っていきました。
山頂付近の高台から町並みが見渡せました。
斜面の下から、夏の終わりの熱っぽい風が吹いてきて、頬を吹き抜けていきました。
意味も無く高揚したのを覚えています。
その時、オフロードバイク買おう、と心に決めたのです。
その後、どうやって帰ったかも定かではありません。
セローを買ってから、その林道をもう一度走りたくて似たような林道を探し回っていたのですが、ついに出会うことはありませんでした。
沼山林道について
さて、今回紹介する沼山林道についてです。
まず地図から調べてみます。
名取市相互台の南西方、宮城大学食産業学部坪沼農場の南側、阿部善産業(株)坪沼採石場の北側です。
距離は約2435メートル。
幅員は4メートル。
標高差はほどほどで、西側出入口の標高は約140メートル、林道のピーク部で約210メートル、北側出入口で約115メートルです。
調べてみましたが、事前情報はほとんど出てきません。
マイナーな林道です。
沼山林道の名称は、地名の坪沼沼山からきていると思われますが、沼山という山は調べても出てきませんでした。
山の名称は不明です。
国土地理院地図には、林道の少し東方に山らしき表示が出てますが、ここもやはり名称は不明です。
南側出入口
季節は冬、時刻は夕方です。
トリッカーの男爵い~もさんに連れられて、この日最後の林道へ向かいます。
トリッカーとセローの2台体制で挑戦します。
この時、正直言うと中身山、北山、愛宕山と連戦してきて、もうヘトヘトでした。
西側出入口から進入することにしました。
林道の入口へ到着。
市道脇に標識が立っています。
入口は田んぼの真ん中にあり、あぜ道のようで、標識が立っていなければわからなかったでしょう。
低いところを行く林道なので、林道の入口感はまったくありません。
ん・・?
なんだろう、この既視感。
不思議に思いながらも、進んで行きます。
路面状況等
路面は土、フラット、車1台分の幅員の、いわゆる普通の林道です。
右手は登り斜面、左手は下り斜面です。
低山ですから、展望はあまり開けませんが、山頂付近では見晴らしの良い箇所もあります。
下り斜面側にはお決まりのガードレールが設置されています。
良くも悪くも普通の林道という感じ。
直線はほとんどなく、九十九折りとまではいかない緩いカーブが連続するくねくね道です。
ところどころ深い轍があります。
轍の幅はせまいので、乗用車でも避けながら進めば走行可能でしょう。
距離も2.5キロと手頃です。
最初から最後まで、走りやすい林道でした。
フラッシュバック
相互台の近くにこんな走りやすい林道があるのか、知らなかった。
少しずつ高度を上げていくと、だんだんと左手に展望が開けていきます。
眼下に、相互台の町並みが見えた時です。
ビビっと気付きました。
これ、私が初めて走った林道だ!!!
このフラット感、クネクネ道、左手のガードレール、町並み、まちがいない!
町を見下ろしながら、急に昔のことを思い出します。
登ってくるまでに何回もエンストしたこと。
轍にタイヤをとられたこと。
トライアルバイクとすれ違ったこと。(この位置だとトレックフィールドのお客さんとかだろうか・・)
うるさいほどの蝉の鳴き声の中、ここから町並みを見ていたこと。
そして、帰り際の達成感。
ああ、そうか、忘れていただけで、やっていることは今も昔もあまり変わらないんだなあ。
楽しいからやってるんだ。
今日、この林道に出会えるとは思わなかった。
8年ぶりに出会った無名の林道は、当時の思い出のまま、私を待っていてくれました。
来れて良かった。
しかし、男爵い~もさんと一緒ですから、いつまでも感傷に浸っているわけにはいきません。
気持ちを切り替えて戦闘モードです。
8年前より成長していることを見せてやりましょう。
展望の良い山頂部から一気に下っていきます。
スタンディングで、いつもよりアクセル開け開けです。(当社比)
普段なら、写真を撮りながらゆっくり降りていくところですが、この時は一心不乱に走りました。
もし8年前の私が今の私を見たら、オフロードバイクを買おうと思うでしょうか。
・・いや、セローおじさんでは思わないか。(笑)
北側出入口
最後は高度を下げて、北側出入口へ出ます。
北側出入口には標識もなにもありません、ただの藪のようです。
2人ともヘトヘトで、この日のツーリングはお開きとなりました。
男爵い~もさん、お疲れ様でした。
この林道に連れてきてくれてありがとう。
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