初めてのツーリングとトラブル【初めてのSR400⑭】
少し前のことになります。
無事車検を取った私は、もうSRに乗りたくて乗りたくて、早速ツーリングにいくことにしたのです。
しかし、この時、車検を取って私は慢心していたのです。
「ド素人でも車検取れるじゃん!」「いや、もうド素人じゃないかも!」と思って有頂天だったのです。
それはきっと、慢心した私への天罰だったのです・・。
・・そんなお話。
初めてのツーリングへ
その日、天気予報は曇り。
気温は普通、やや肌寒いでしょうか。
蔵王は紅葉が始まるかどうかという時期です。
少し着込んでいけばちょうど良いはず。
さあ、SR400をお迎えしてから、初めてのツーリングです。
蔵王のお釜を目指します。
早朝に家を出ます。
肌寒い空気の中、SRのキーシリンダーに鍵を差し込みます。
カチッと回すと、駐車場の暗がりの中にうっすらとメーター類の数字が浮かび上がってきます。
うっすらとです。
バッテリーはほとんど死んでるので・・。
SR400はキックスタートだから、最悪バッテリーレスでもエンジンがかかるだろうと思って、新しいのに交換してません。
実際、バッテリー外してキックしてもエンジンかかりますからね。
さあ、まだ慣れていないキックスタートです。
SRにまたがって、ステップに足を乗せて立ち上がります。
車体右側面に取り付けられているキックスターターペダルを、手で右脇に出してやって、右足で下へ押し下げてやります。
ゴキっという音とともにそれ以上ペダルが下がらなくなるので、クラッチ下に取り付けられているデコンプレバーを握りこむと、最下端までペダルが踏み込めるようになります。
一度ペダルを上まで戻して、次は勢いをつけて一気に蹴り下げます。
せーのっ!!!
ゴキッ!
痛ぇっ、あれ?
ときどき、デコンプレバーを引いてやりなおしてるのに、うまく蹴れない時があります。
なんでだろう・・痛い。
再度挑戦。
ドルンッ!
ドッドッドッ・・。
一度エンジンがかかると止まるということはありません、かなり良い調子です。
曇り予報のはずが
単気筒独特の音と振動が楽しいです。
セローにはなかった加速感・・イイ!
交差点では、右左折時、ウインカーをつけるとフロントライトが明滅します。
多分、バッテリーが死んでいるせいです。
ウインカーに電力を取られて、フロントライトの光量が弱くなってしまうんでしょう。
ただでさえ黄色くてデカくて目立つライトなのに、前の車にパッシングと間違われるんじゃないかと思って怖いです。
茂庭で給油です。
それと同時に、雨がぱらついてきました。
カッパへ着替えます。
あーあ、天気予報だと曇りだったのにな・・。
オフ車と違って、拭いたり磨いたりするのが少し面倒です。
そこから先、路面が湿っていて滑りそうで怖いです。
特に、セローと比べて排気量が上がったのでアクセル操作には気を遣いました。
セローならそんなことないのにな。
蔵王エコーラインと回転数
エコーライン入口で休憩をとります。
ここまでは順調ですが、やや油温が高くなっています。
80度くらいです。
車体も少し休ませます。
もうおじいちゃんなんだから、しっかり休めよ・・。
休憩後は、そこから登りへさしかかります。
登り前に路肩にバイクを停めて写真を1枚。
よし行くぞ、と1速で発進しようとすると、おかしい。
回転数が上がらない。
アクセルを多めに開けると、数秒のタイムラグがあって、一気に4000回転くらいまでグワンと上がりました。
次に2速、3速に上げると最初は加速せず、またアクセルを多めに開けると加速を始めます。
この現象、最初は坂道のせいかな、と思ってました。
セローはトレールだし坂道発進が得意だからスムーズだっただけで、オンロードだとこのくらいの違和感で普通なのかな・・と。
それでも登っていきます。
やがて、高度をどんどん上げて雲の中に入ります。
コーナリング怖い、楽しい
エコーラインを進んで行き、九十九折りが連続する登り坂に入ります。
回転数は、高回転を維持すれば下がっていくことはありません。
一度下がると、もう一意回転数を上げ直すのは大変でした。
ですから、高回転を維持したまま登ります。
さすが400cc、セローよりも力強く登っていきます。
Rがきつい左カーブにさしかかった時です。
ガチャッ!
という金属音とともに、左足に衝撃がありました。
ステップがアスファルトを擦ったのです。
驚きながら確認しましたが、ステップは可倒式でしたから壊れませんでしたし、足にも怪我はありませんでした。
しかし、恐怖感は残ります。
オフロードバイクの感覚で車体を倒し込むと、擦ってしまいます。
かといって、リーンインなんてやったことないぞ。
うーん・・・カーブがうまく走れない。
バイクはやがて雲を抜けました。
目の前に急激に青空が広がっていきます。
嬉しい。
路面も乾いています。
気分も上がってきたところで、少し早めのスピードでカーブに突っ込みます。
ハンドルでは曲がらないところ、ニーグリップで下半身を固定して、上半身をコーナー内側へ倒し込みます。
リーンインもどきっ!
ブロックタイヤと違い、オンロードタイヤがアスファルトをがっちり掴んでいるのが感じ取れます。
さらに、車体が立っているせいかコーナーでも安心感があります。
早いスピードでもぐんぐん曲がる。
ぎゅーんと曲がる爽快感。
すごい、楽しいっ!
思わず「楽しい!」と叫んでいました。
これがオンの楽しさか!
お釜でエンジン停止
高揚した気分のままお釜へ。
パーキングへ駐車します。
エンジン停止。
ん?
少しだけ違和感を感じ取ります。
エンジンを切る一瞬前に、エンジンが止まった気がしました。
再度エンジンを掛けてみます。
キックするもかからず。
え?
油温計は90度くらいを示しています。
ここで故障とかだったらどうしよう。
現在の標高は1674メートルです。
怖い・・。
とりあえず、バイクを少し休ませることとします。
現実逃避して、お釜を見てこよう。
頂上付近は晴れ。
眼下には見事な雲海が広がっています。
しかし心はバイクのことが心配で全然観光なんて出来ない・・。
30分休憩。
油温は60度くらい。
再びキックします。
かからず。
まじか・・。
蔵王山頂でエンストとか、良いネタになるな・・でもレッカー代とか超高く付きそうです。
ネタとか言ってる場合じゃない。
スマホで解消法を調べると、良さそうな方法が載っていました。
エンジン停止で、デコンプレバーを握る。
アクセル全明け。
その状態でキック5回。
さらに、アクセル閉じてキック1回。
これでエンジン内部を通気できるようです。
早速、試してみましょう。
たのむ・・・!!
1回で始動しました。
おお、神よ!
また止まるのが怖くて、すぐに出発しました。
帰りもやはりフケが悪いです。
下りでも全然回転数が上がりません。
2,3秒アクセルを煽ってやると、0付近から一気に4000まで回転数が上がります。
その瞬間にクラッチミートしてやると加速していきます。
うまく回転数見て走らないとエンストしそうです。
緊張しながらもなんとか帰宅。
怖かった・・。
エンストの原因について
後から調べたところ、SRに限らず、キャブ車は標高の高いところに行くと出る症状みたいです。
標高が高くなるにつれて空気が薄くなるので、混合気内のガソリンの濃度が高くなって、プラグがかぶってしまうそうです。
セローのインジェクションの偉大さがわかりました。
ほんとSRさんは、いちいち勉強になるなあ・・。
でももう高い山にはSRではいかないっ!
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