宮城林道日記

宮城県の林道を巡ってます。

遠野林道ツーリング②観光編【岩手県遠野市】

遠野は遠野物語で有名な民話の里です。

 

今回、ツーリングの目的地を遠野にしたのも、実は遠野物語に関する観光をしてみたかったからなのです。

 

今回は、林道は一旦おしまいにして遠野の観光を楽しみます。

 

 

 

 

遠野物語とは

 

柳田国男が明治43年に発表した本です。

 

内容はご存じの通り、岩手県遠野市の伝承をまとめたものです。

 

柳田国男が遠野出身の佐々木喜善から聞き取り、実際に遠野へ取材し、まとめたそうです。

 

中身は、カッパ、座敷童、天狗など、不思議な物語がたくさん収められています。

 

ただ、なかにはどうでもいいただのイタズラのような伝承も納められていて・・そこが逆に、創作でなくて実際に取材した結果のような、リアリティがあっていいなあと思うのです。

 

また、遠野物語のすごいところは、地域の伝承をちゃんと本としてまとめたところです。

 

戦時中、神道教育の徹底のために、地域の氏神等の民族信仰や、行事が禁止されていきました。

 

都市部ではどんどん伝承が消えていく中で、遠野という山間部の町に着目し、口伝として残っていた伝承をしっかりと記録して残していくというのはすごいことだなあと思うのです。

 

当時一般的でなかった民俗学の祖と言われるのはそのためです。(間違っていたらすいません。)

 

そういう訳で、遠野市街には、柳田国男が実際に足を運んで取材した場所や、伝承の舞台がたくさん残されています。

 

それを辿ってみたいと思います。

 

 

 

続石

 

遠野市街の西方、岩手二日町駅の北方の山の中にあります。

 

駐車場は狭いです。

 

15分ほどのハイキングロードを歩きます。

 

15分か、セローで行けば一瞬だな・・と思いつつ登ります。

 

しかし、途中から階段が出現。

 

息も絶え絶えになりつつ登ります。

 

登った先に、岩。

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岩の上に、さらに幅7メートル、奥行5メートル、厚さ2メートルの岩が乗っています。

 

武蔵坊弁慶が岩を乗せたのだとか・・。

 

思ったよりも巨大です。

 

遠野に来てからよく見る光景ですが、岩のいたるところに硬貨が置かれています。

 

神社のお賽銭的なものだろうか・・?

 

石の割れ目に下から刺さっているのもありました。

 

さて、息も絶え絶えだったくせに、ヘルメットだけはしっかり持ってきていました。

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この時マイブームだった自撮り。

 

メット持ってくるの大変だったわりに、それほどいい絵は取れず

 

でもこの、普段はやらないことをやってしまう修学旅行感は好きです。

 

 

 

千葉家住宅

 

南部曲り屋です。

 

続石のすぐ近くにあるというので行きました。

 

なんと工事中。

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家屋に風防を被せて作業してるのが見えました。

 

まあ、ここはそれほど興味もないのでいいか・・。

 

 

 

デンデラ

 

姥捨て山。

 

遠野市街の北東方、山間部への入口にあります。

 

ここは前から行きたかったのです。

 

私のおじいちゃんが、私が子どもの頃から自虐ネタで「姥捨て山に捨てられる!」と言うので、実際にどんなところなのか見てきてやろうと思ったのです。

 

開発されて住宅地になってたら笑ってやろう!

 

国道340号から南へ入って行くと、山口川を越える橋があります。

 

おばあちゃんを背負った男の絵が描いてある橋で、ここから先がデンデラ野と呼ばれる土地です。

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少し丘の上に登ると、周囲を見渡すことができます。

 

南側は山、北側は田園風景が広がっています。

 

丘の上には、一軒の茅葺き屋根の粗末なお家があります。

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中には床がない土間が・・。

 

観光用に建てられたんでしょうが、こういうところにお年寄り達が最期に身を寄せていたのかと思うと、身につまされる思いです。

 

車やバイクではすぐですが、歩いて遠野市街へ行くには、かなり遠いところでしょう・・。

 

事前に聴いた話では、実際は悲しいところではないと聞いていたのですが、夕方と言うこともあってかなりもの悲しい。

 

遠野には、このデンデラ野以外にもいくつか姥捨て山の伝承が残る土地があります。

 

ここ以外にもこういう土地があったのでしょう・・。

 

ちなみに実際には、昼は農作業の手伝いへ里へ出て収入を得て、夜に集落に戻っていたということですから、周囲と全く交流がなかったという訳ではないそうです。

 

 

 

山口の水車

 

デンデラ野のすぐ近くにあります。

 

山口川の水流を利用した水車です。

 

ゴゴゴゴゴという音を響かせながら働いていました。

 

音はけっこう迫力があります。

 

川の水流の力を使っているわけだから、電気のない時代だったらすごい便利そうだ・・が、今見ても、ただ水車が回っているとしか感じない。

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駐車場があって、自販機があって、キレイ目な建物に水車がくっついている感じ。

 

情緒もなにもない。

 

事前にがっかりスポットということは聞いていました。

 

事前情報のとおり、ただの水車なので無理して見なくてもよかった・・。

 

札幌の時計台を思い出します。

 

いや、中に展示物がある分、時計台の方がよっぽどいいかな。

 

 

 

とおの物語の館

 

遠野市中央通りにある観光施設です。

 

入館料は500円。

 

さらに駐車場代もかかるのですが、バイクなのでかからなかった。

 

ラッキー。

 

中は、柳田国男記念館、昔話蔵、遠野座に分かれています。

 

柳田国男記念館は、同人が滞在した宿と、隠居した家を再現した物らしいです。

 

中には1人も観光客はおらず、貸し切りでした。

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畳に寝そべったりして柳田気分を満喫できました。

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昔話蔵はかなり今時。

 

展示物に触れると影絵が動いたり、光で物語の登場人物が動き出したりします。

 

しかもかなりかわいい。

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子どもを連れてきたら大喜びするでしょう。

 

展示物の数は少なめ。

 

館内で語られる物語を聴いていれば別でしょうが、軽く流して過通りぎていくとすぐ見終わってしまいそう。

 

遠野座は劇場になっていて、決まった時間に語り部さんが昔話を聞かせてくれるのだそうです。

 

私が訪れたときは終了していました。

 

 

 

五百羅漢

 

遠野市街と遠野ICの間、釜石自動車道の高架の南側の山中にあります。

 

たくさんの石仏がある場所です。

 

もっと市街地に近いのかと思って行ってみると、道路脇の案内板に山の中を案内されます。

 

これも山登る系の名所か・・バイクを置いて歩いていくことにします。

 

案内板に従って歩いてきたはずなのに、一向に着きません。

 

道が開けてきて、どこが正しい道なのかよくわからない。

 

しかも、私以外の観光客は0です。

 

この方向であっているのか・・と思っていたのですが、よく見ると、登っているすぐ横に石仏がありました。

 

よく見ると、そこら中の石に仏さんが刻み込まれています。

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苔むしていて全然気付きませんでしたが、周囲の至る所に石仏があります。

 

いつのまにか、何百という数の石仏に囲まれていました。

 

昔、飢饉で死んだ人達の魂を慰めるために住職が掘ったそうです。

 

東北の山間部ですから、飢饉はそれは酷いものだったのでしょう・・・。

 

飢饉でない時ですら姥捨て山のような間引きの伝承が残っているのに。

 

日暮れも近い時間に行ったので、周りは薄暗く、けっこう怖いです。

 

パワースポットらしいですが、早々に退散します。

 

 

 

卯子酉様

 

「うねとりさま」と呼びます。

 

五百羅漢のすぐ北側ですが、釜石自動車道の高架を挟んで北側なので、ぐるっと迂回することになります。

 

徒歩なら自動車道の上の歩道橋を越えられるようです。

 

・・さて、ここはインスタでかっこいい写真が撮られていたので行ってみたのですが、正直がっかりスポットでした。

 

間違いない!だって、民家の敷地みたいなところにあるもの!

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卯子酉様の前に出るためにその民家の脇を通って行くのだけれど、窓を開けておじさん達がご飯を食べていました。

 

いや、いいよ、別におじさんがご飯食べてたってダメじゃない。

 

私だってご飯食べるもの。

 

でも、ダメじゃないんだけど、なんか、神秘的な恋愛の神様に行くのに、全然ロマンチックじゃない。

 

もしカップルでここに来たら盛り下がるんだろうなぁ。

 

さて、肝心の卯子酉様はこんな感じです。

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写真構成を考えれば少し神聖な感じが出るけど・・。

 

 

 

その他

 

午後5時を過ぎてしまっており、遠野伝承館が閉館してしまっていました。

 

ここにはオシラサマが祭ってあったのでぜひ行きたかったのですが、残念です。

 

また、伝承館の付近にカッパ淵という遠野の目玉の観光地もあったのです。

 

ここも行きたかったのですが、遠野市街からは少し遠いのです。

 

暗くなってきたので、見送りとしました。

 

次回は宿泊編です。

 

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