第二次大堤林道攻略戦【仙台市青葉区】
先週、「金曜日はバイクライフ」の男爵い~もさんと一緒に林道ツーリングに行ってきました。
私も、男爵い~もさんも、それぞれ苦い記憶のある大堤林道に再挑戦です。
2回目の挑戦で大堤林道の全容が少しずつ明らかにされていきます。
1台でダメなら、2台でどうだ!
大堤林道についての考察
まず、大堤林道の情報を整理しましょう。
私は以前、1度大堤林道を訪れ、途中で脇道にそれました。
前回の記事はこちら↓
この時、私は東側から進入し、途中で南側の夜盗沢奥武士線(舗装路)に抜けました。
前回は、とりあえず行ってみて考えようと思って進んだのですが、今回はもう少し事前調査します。
まず、大堤林道の国土地理院地図です。
林道東端に恵和興業という会社があり、同会社の前の道路を西に進んで行くと入口です。
ここを東側入口と呼びましょう。
西端には、航空写真上では大規模なソーラー発電施設があるようです。
国土地理院地図上では、二重破線で表示されています。
出入りできるかは今の時点では不明ですが、ここを仮に西側出口と呼びましょう。
林道は主に東から西に伸びています。
北側には名称不明な沢、南側には芋沢川という沢がそれぞれ東西に走っています。
北側の川と南側の芋沢川の間隔は狭いところでは約140メートルしかありません。
林道内部は、航空写真にも写らない林道や作業道が無数に走っています。
国土地理院地図上では、実線、破線で表示されています。
主に伐採や鉄塔管理に使用されているようです。
標高は東側入口で114メートル、西側出口が314メートルですから、高低差は200メートルです。
東側入口から西側出口までの距離を地図上でざっくり計測すると、約3.5キロメートルです。
ここまで、林道の形状を見ると、西側に登り東へ下る東西に長く南北に狭い山を、蜘蛛の巣状に走っている林道だということがわかります。
せっかく2台いますので、今回のアタックでは東側入口から西側出口までの走破を目指します。
男爵い~もさんと合流
午後1時。
男爵い~もさんとはこの時初対面。
彼のバイクは、オレンジのスポークがオレンジの車体に映えるかっちょいいトリッカーです。
タイヤも替えてツーリストにしてました。
色々と林道仕様に改造されてて、強者感がすごい。
しかもサービス精神溢れる良い男で、私のために行ったことのない杭城林道を事前調査してくれてました・・なんて素敵。
進入開始
天気は晴れ、風はなし。
気温は3度。
3度・・寒いです。
山はもしかすると雪かもしれませんが、構わず大堤林道に進入します。
恵和興業を抜けて、しばらくはフラット林道です。
男爵い~もさんのトリッカーが先行します。
速いです。
兄弟車のはずなのに速いと感じるのは腕の差でしょう。
引き離されないよう、必死に着いていきます。
三日月不動尊への分岐を過ぎると、その後はシングルトラックに変わります。
さあ、ここからが勝負です。
路面状況は悪いです。
路面が落ち葉で覆い隠されており、その下にぬかるみが隠されていたりします。
斜面を登ろうとした際に転倒するトリッカー。
その先、鉄塔の先の小広場、なんてことない広場で転倒するセロー。(そしてセローに謝る私)
未踏破区域へ
小広場から先はシングルトラックです。
進行方向左側が急な下り斜面、右手が林です。
落ち葉で少しリアタイヤが滑っただけで急斜面を滑落していくでしょう、怖いです。
でも、今回は2人いるから、片方が落ちても残った方がきっと助けてくれるはず・・。(救助方法は落ちてから考えることとする)
分岐が多いので、スマホで地図を確認しながら進んで行きます。
しかし、次第に電波もなくなり、道もよくわからなくなっていきます。
思わず下山したくなる私に、男爵い~もさんは言います。
「わからない時は登っていきましょう。」
なんてメンタルの強い人なんだ・・。
男爵い~もさんに励まされつつ、登り方向、登り方向へ進んでいきます。
前回は下っていったところ階段があり、その先の沢を越えて夜盗沢奥武士線に出ました。
今思えばこの沢が芋沢川だったのでしょう。
国土地理院地図にも、前回の道は記載がありませんね・・怖い。
本当にこの道で合っているのか、知るすべがないまま進んで行きます。
ますます不安になってきました。
芋沢川渡河
沢に突き当たります。
これが芋沢川でしょう。
ほとんど涸れ沢です。
水はほぼありませんが、川底に向かって地面が深く落ちくぼんでいます。
橋代わりに使っていたであろうはしごがありましたが、あえなく折れて川底へ落ちていました。
しかし、幸いにも水かさはほとんどないため、オフ車なら問題にならないと思います。
くぼみを降りて、一気に渡河を試みます。
対岸の急坂の落ち葉が気になりましたが、なんとか登り切り、2台とも無事渡河成功です。
さて、ここから先、分かれ道があります。
このまま東へ向かえば西側出口方向です。
南へ向かえば夜盗沢奥武士線に出れそうです。
相談した結果、西側出口がダメだったときのためのエスケープルートとして、最初に南へ向かい、出口を確認することにしました。
エスケープルート確認
分かれ道から南へ向かいます。
落ち葉の下に隠されたゆるゆるの路面に何度かリアタイヤを取られながらも、下っていきます。
右側に池が見えて、ついに視界が開けます。
夜盗沢奥武士線です。
ああ、久しぶりの舗装路だ。
と、思ったら完全にチェーンで封鎖されてた。
かなりガチガチのチェーンで、くぐることはできなさそうです。
このチェーンの少し手前に冷蔵庫なんかが落ちていましたので、そういう不法投棄対策として閉じられたのでしょう。
オフ車にまで迷惑かけるなんて、不法投棄許せません。
チェーンの周囲は灌木に遮られています。
バイクであれば、藪をくぐって灌木の間を抜ければなんとか舗装路に出られそうでした。
エスケープルートとしては使えそうです。
ただ、灌木に混じってイバラが茂っていたので、できれば使いたくないです。
ヒルクライム!
エスケープルートを確認した後、分かれ道へ戻ります。
ふかふかの落ち葉の上を進んで行きます。
進行方向左手には伐採道が見えます。
伐採道があるということは、重機やフォワーダーが通行する出入口があるということです。
あと200メートル程度で西側出口に着くあたりですから、これは、もしかして完通しているのか・・!?
と期待していた矢先、目の前に登り坂が現れます。
あっ、これヒルクライムだ・・。
路面は落ち葉で埋め尽くされており、ところどころ落石や枝が落ちていて、ひっかかりそうです。
さらに、落ち葉の下の土は湿っていてフカフカです。
泥よりはいいですが、グリップしなさそうです。
坂の出口が見えないくらい長く、急な坂です。
バイクを置いて、先を確認するため歩いて行きましたが、200メートル先まで急坂が続いています。
最後まで確認する気にならずに坂の下まで戻ってきました。
林道の最後の最後、すごいのきたな。
ヒルクライム苦手なんですよね、やだなぁ・・。
男爵い~もさんは嬉しそうです、変態め。
セローでアタック
相談した結果、私が最初に坂に突っ込むことになりました。
助走をつけて加速して、スタンディングで登り始めます。
リアタイヤが空転しているのがわかります。
そこから怖くて速度が出せません。
怖いっ!!
これが良くないのです・・わかってはいるのです、わかってはいるのですが、実際やると怖くて中途半端な速度で進入してしまいます。
だんだんと速度が落ちてきて、スタンディングを保っていられなくなりました。
腰を落として、足を着きながらも登ります。
あっという間に速度は落ちて、ゆらゆらと車体が揺れて、最後は左を向いて転倒しました。
大六天で敗退してから転び方は研究してましたので、バイクからはうまく脱出できました。
しかしキツい。
リアタイヤのツーリストには泥がギッシリ詰まっています。
再スタートを試みるも、タイヤの状態も悪く、2,3メートル進むもすぐに転倒してしまいます。
無理。
休憩!(魔法の言葉)
トリッカーでアタック
男爵い~もさんがトリッカーでアタックします。
助走から、勢いをつけて登っていきます。
思い切りが良いからか、加速も良い。
怖くないのかな。
すぐに倒れたセローの脇を追い越していきました。
ツーリストがゴリゴリ土を搔いて、なおも進みます。
が、健闘むなしく、坂の3分の2を過ぎた辺りで失速、転倒しました。
男爵い~もさんもコロンと半回転しましたが、怪我なし。
しかし、男爵い~もさんの真骨頂はここからでした。
すぐにトリッカーを引き起こすと、再スタートを試みます。
リアタイヤが空転して土を掘ってしまっています。
50センチほど下って、さらに再スタート。
私も後ろから押します。
今度はうまくグリップして、2メートルほど登りましたが、再び転倒です。
リアタイヤはセローと同じく土が詰まってしまい、スリックタイヤのようになっています。
あ~、こりゃ厳しい。
私が「撤退」を考えていたところ、男爵い~もさんはまたも再スタート。
今度は降りて2人で押して登ります。
また2メートル前進して止まります。
男爵い~もさんは笑いながら言います。
「あー、あとちょっとですね~!」
嘘でしょう、あと50メートル以上残ってるよ?
仮にうまくいって2メートルずつ進めても、25回は転倒することになるんだよ!?
なんというタフネス、なんというメンタル。
撤退
2人で倒木に座りながら小休止です。
私は疲れてボーッとトリッカーを見ていました。
横倒しになったトリッカーからは、給油口からガソリンがしずくとなってしたたっています。
セローからも最初はガソリンが漏れていましたが、あまりにも長い間横倒しにしていたせいか、今はもう漏れる分もないようです。
汗びっしょりの体には、Tシャツが張り付いていて不快です。
外気温3度の山中では、あっというまに冷えて体温が奪われていきます。
だめ押しするかのように、空からは雪が降ってきました。
午後3時、日は陰ってきています。
私は言いました。
「撤退しましょう。」
ごめんね、男爵い~もさん。
えっちらおっちら坂を下り、坂の手前、エスケープルートから脱出です。
チェーン脇のイバラには見事に引っかかりました、痛い。
第2次大堤林道攻略戦も失敗です。
しかし、出し切った感があるので後悔はしていません。
楽しかった。
果たして、次回はあるのか・・?
男爵い~もさん、その際はぜひよろしくお願いします。
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