泉ヶ岳でプチ遭難した話【雑記】
前回の緊急事態についてお話しします。
梅雨の晴れ間を利用して泉ヶ岳へいつものようにソロツーリングに行くことにしました。
朝、セルスイッチを回すと一発で始動するも・・ん?
なんか、違和感。
フロントライトが一瞬、またたいたように暗くなった気がする・・。
気のせいか?
その後、異常も無いので林道へ。
スプリンングバレーから旗坂野営場まで向かいます。
梅雨なので路面は湿っぽいですが、崩れての通行止めなどは無く、快調に進んでいきます。
舟形山登山道の入口を過ぎ、下り坂の途中で、再度違和感・・。
いつもよりエンブレが強い・・と思った瞬間、エンジンが止まってることに気づきます。
モニターにはエンジン異常のマークが。
あっ、これやべえマークだ!
その場で停止し、セルスイッチを押し込むもカカカカカカカカカカという音のみで始動せず。
バッテリーの配線を付けたり外したりしても駄目。
うわぁー、林道の真ん中でやっちまった。
モニターにはエラーコードの「46」という数字が表示されています。
「46」の原因を調べようとスマホを開きますが、無情にも圏外のマーク。
しかし、慌てるなかれ、ここは何十回と通っている勝手知ったる林道です。
とりあえず林道のどこでエンジンストップしても、バイクさえ置いていけば、林道に沿って歩いて30分以内に人里に出られることは分かっています。
でも、ここに一人でセローを置いていくなんてできないっ!
バイクを押して戻るとしたら、この林道はスプリングバレーをほぼ頂点にして下っているため、今更戻れません。
このまま、覚悟を決めて下っていくしかねぇ・・。
とりあえず、どこまで行けるか分かりませんが、手探りで押して進んでいきます。
最初の内は下り坂だったため、ニュートラにして乗っていきます。
スイーッと進んで行き、意外に距離を稼ぐことができました。
もしかして、このまま慣性で野営場付近までいけんじゃね?と思ったのも束の間、下り坂はやがて平坦に変わります。
でも、けっこう進んだし、多少疲れてもこのまま進んでしまおうと思い、降りてさらに押していきます。
しかし、淡い期待はすぐに裏切られ、恐れていた登りが現れます。
つらい・・車輪がついているとは言え、120キロを押し上げるのはつらい。
20メートル進んでは休み、休んではまた進み・・・汗だくになりつつ、登り切ります。
しかし、残酷にも、登り切った先はまた登りでした。
山奥に入ってきたからか、晴れていた空はどんよりと曇っています。
日の光は当たらないものの、湿度はひどく高くてじめじめしていました。
全身汗だくです。
心が折れそうになるも、歯を食いしばって進んで行きます。
周りは森です。
私の吐く二酸化炭素や汗の臭いに誘われて、羽虫が大量に寄ってきます。
前を向くと目や口に羽虫が突っ込んできます。
払っても払ってもいなくならない・・しかも、顔面の至近数センチのところで滞空してたりして、もう気になって気になって、とにかく不快!
虫が目や口に入ってこないよう、下を向いて歩きます。
そんな私に追い打ちをかけるように、にわか雨が降ってきました。
黙々とバイクを押して上り坂を登っていましたが・・足が止まってしまいます。
両腕がぷるぷるいって、もう押せない。
無理な姿勢で押してきたせいか、親指の付け根が痛みます。
もう、無理。
心が折れました。
ごめんよ、セロー、君を置いていきます。
セローをなんとか路肩に寄せ、鍵を掛けて歩き出します。
残されたセローのなんと寂しそうなことよ・・。
このまま森に飲み込まれてしまうのではないか・・そんな気分です。
しかし、歩いて行くうちにだんだんと体力が回復してきました。
やはりバイクを押しているのと手ぶらとでは全然負担が違います。
幸いドリンクとお菓子も持っていましたから、食べ飲みつつ歩いているうちに元気が戻ってきました。
虫が顔面にまとわりついてくるため、もういっそメットをかぶって歩きます。
我ながらけっこうシュールな描写だと思います。
まもなく下界も近づくと、自撮りしている余裕も生まれてきました笑。
心折れて傷心のオフ者。
歩くこと15分、旗坂野営場までたどり着きました。
出口はわかっていたものの、正直ほっとしました。
しかし、ここではまだスマホの電波は入らないことは知っています。
ここからさらに300メートルほど歩くと会社がありますから、そこで電話でも借りて、嫁さんに来てもらおうと思っていたのですが・・。
たまたま旗坂野営場の駐車場に人がいるのを発見。
事情を話すと、近くのコンビニまで車で送ってもらえることになりました。
マジでありがたい・・。
某観光サイトの編集の方で、山の写真を撮りに来たのだとか。
色々お話ししている内に、自宅付近まで送ってもらいました。
ヘルメットにプロテクターを付けて歩く不審者にここまで良くしてくださって、本当にありがとうございました。
家に帰って自分が安心したところで、今度はセローの救出について手配しなくてはなりません。
その日のうちに知り合いに頼み込んで軽トラックと人手を確保しました。
さらに、仙台市に「故障したため駐車してます、遭難したわけじゃないよ!」という電話をいれておきます。
役人さんはかなりおおらかな対応で、自己責任なのでとめてもらってかまわないとのことでした。
私の名前も電話番号も、バイクの車種もナンバーも聞かれなかったなぁ。
山の中の話ですから、そもそもこんな電話はいらなかったかもです。
救出作戦は翌日です。
必ず助けに行くからなセロー・・。
その日は、夕方から翌日まで泥のように眠りました。
続く。
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梅雨の晴れ間を利用して泉ヶ岳へいつものようにソロツーリングに行くことにしました。
朝、セルスイッチを回すと一発で始動するも・・ん?
なんか、違和感。
フロントライトが一瞬、またたいたように暗くなった気がする・・。
気のせいか?
その後、異常も無いので林道へ。
スプリンングバレーから旗坂野営場まで向かいます。
梅雨なので路面は湿っぽいですが、崩れての通行止めなどは無く、快調に進んでいきます。
舟形山登山道の入口を過ぎ、下り坂の途中で、再度違和感・・。
いつもよりエンブレが強い・・と思った瞬間、エンジンが止まってることに気づきます。
モニターにはエンジン異常のマークが。
あっ、これやべえマークだ!
その場で停止し、セルスイッチを押し込むもカカカカカカカカカカという音のみで始動せず。
バッテリーの配線を付けたり外したりしても駄目。
うわぁー、林道の真ん中でやっちまった。
モニターにはエラーコードの「46」という数字が表示されています。
「46」の原因を調べようとスマホを開きますが、無情にも圏外のマーク。
しかし、慌てるなかれ、ここは何十回と通っている勝手知ったる林道です。
とりあえず林道のどこでエンジンストップしても、バイクさえ置いていけば、林道に沿って歩いて30分以内に人里に出られることは分かっています。
でも、ここに一人でセローを置いていくなんてできないっ!
バイクを押して戻るとしたら、この林道はスプリングバレーをほぼ頂点にして下っているため、今更戻れません。
このまま、覚悟を決めて下っていくしかねぇ・・。
とりあえず、どこまで行けるか分かりませんが、手探りで押して進んでいきます。
最初の内は下り坂だったため、ニュートラにして乗っていきます。
スイーッと進んで行き、意外に距離を稼ぐことができました。
もしかして、このまま慣性で野営場付近までいけんじゃね?と思ったのも束の間、下り坂はやがて平坦に変わります。
でも、けっこう進んだし、多少疲れてもこのまま進んでしまおうと思い、降りてさらに押していきます。
しかし、淡い期待はすぐに裏切られ、恐れていた登りが現れます。
つらい・・車輪がついているとは言え、120キロを押し上げるのはつらい。
20メートル進んでは休み、休んではまた進み・・・汗だくになりつつ、登り切ります。
しかし、残酷にも、登り切った先はまた登りでした。
山奥に入ってきたからか、晴れていた空はどんよりと曇っています。
日の光は当たらないものの、湿度はひどく高くてじめじめしていました。
全身汗だくです。
心が折れそうになるも、歯を食いしばって進んで行きます。
周りは森です。
私の吐く二酸化炭素や汗の臭いに誘われて、羽虫が大量に寄ってきます。
前を向くと目や口に羽虫が突っ込んできます。
払っても払ってもいなくならない・・しかも、顔面の至近数センチのところで滞空してたりして、もう気になって気になって、とにかく不快!
虫が目や口に入ってこないよう、下を向いて歩きます。
そんな私に追い打ちをかけるように、にわか雨が降ってきました。
黙々とバイクを押して上り坂を登っていましたが・・足が止まってしまいます。
両腕がぷるぷるいって、もう押せない。
無理な姿勢で押してきたせいか、親指の付け根が痛みます。
もう、無理。
心が折れました。
ごめんよ、セロー、君を置いていきます。
セローをなんとか路肩に寄せ、鍵を掛けて歩き出します。
残されたセローのなんと寂しそうなことよ・・。
このまま森に飲み込まれてしまうのではないか・・そんな気分です。
しかし、歩いて行くうちにだんだんと体力が回復してきました。
やはりバイクを押しているのと手ぶらとでは全然負担が違います。
幸いドリンクとお菓子も持っていましたから、食べ飲みつつ歩いているうちに元気が戻ってきました。
虫が顔面にまとわりついてくるため、もういっそメットをかぶって歩きます。
我ながらけっこうシュールな描写だと思います。
まもなく下界も近づくと、自撮りしている余裕も生まれてきました笑。
心折れて傷心のオフ者。
歩くこと15分、旗坂野営場までたどり着きました。
出口はわかっていたものの、正直ほっとしました。
しかし、ここではまだスマホの電波は入らないことは知っています。
ここからさらに300メートルほど歩くと会社がありますから、そこで電話でも借りて、嫁さんに来てもらおうと思っていたのですが・・。
たまたま旗坂野営場の駐車場に人がいるのを発見。
事情を話すと、近くのコンビニまで車で送ってもらえることになりました。
マジでありがたい・・。
某観光サイトの編集の方で、山の写真を撮りに来たのだとか。
色々お話ししている内に、自宅付近まで送ってもらいました。
ヘルメットにプロテクターを付けて歩く不審者にここまで良くしてくださって、本当にありがとうございました。
家に帰って自分が安心したところで、今度はセローの救出について手配しなくてはなりません。
その日のうちに知り合いに頼み込んで軽トラックと人手を確保しました。
さらに、仙台市に「故障したため駐車してます、遭難したわけじゃないよ!」という電話をいれておきます。
役人さんはかなりおおらかな対応で、自己責任なのでとめてもらってかまわないとのことでした。
私の名前も電話番号も、バイクの車種もナンバーも聞かれなかったなぁ。
山の中の話ですから、そもそもこんな電話はいらなかったかもです。
救出作戦は翌日です。
必ず助けに行くからなセロー・・。
その日は、夕方から翌日まで泥のように眠りました。
続く。
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